失敗は失敗ではないが、間違いは間違いではないのか?藤巻健史氏の場合

かつては伝説のトレーダーと呼ばれ、今では「逆神」で有名な藤巻健史氏。著書のタイトルをざっと見ただけで、その逆神ぶりがまさに神がかっていることが分かります。

最新作のタイトルが『日本・破綻寸前』。2010年にも『日本破綻』という著書があるようです。さらに遡れば、2002年には『1ドル200円で日本経済の夜は明ける』という本も書いています。ちなみに2002年1月に円は1ドル134円をつけてから、現在までそれより円安になったことはありません。まさに逆神。

ビジネス書では頻繁に、「失敗は失敗ではない」とのフレーズが使われます。失敗をしたとしてもそれを成功につなげることができれば、失敗にはならないという意味です。しかし、「間違いは間違いではない」となると意味不明になります。間違っていても間違いだと認めなければ、間違いにならないと言えるかもしれません。藤巻氏も、もし2030年に1ドル200円になった時、「ほらね」と言うのでしょう。「いつかそうなる」と言えば、死ぬまで間違いを認める必要はありません。ある意味、羨ましい程のメンタルの強さを持っているようです。

ぼくとしては「日本破綻芸」として笑ってみられますが、彼の言葉を信じ、そのような投資のポジショニングをとってきた人は気の毒でなりません。間違いなく損をしているはずです。そして、かつてのぼくもそうだったように、「日本の破綻」を信じ、日本の未来を信じられなくなっている人が少なからずいることは本当に不幸なことです。その一人が、2016年に入所者19人を刺殺した元職員の植松聖被告です。

彼は日本の財政状況に絶望し、「日本や家族に迷惑をかける存在は許さない」と妄信し犯行に及びました。かつてのぼくも中学生あたりから日本の未来に希望が持てず、20代前半にオーストラリアに出ることになります。そこで初めて、日本の便利さや誇れる歴史に気付くことになります。ホームステイ先の父親は日産の自動車に乗っており、「日本車は世界一だ」と常々言っていました。その後ドイツ車を買って失敗したことから、あの言葉が正しかったことに気付くことになります。

なぜか日本には、日本のあらゆることが嫌いな人が少なからずいます。ぼくには藤巻氏がその一人のように感じ、なぜ日本に住み続けるのか不思議に感じます。もしかして彼らのような存在が、モラルや経済などあらゆる面で日本を破綻に近づけているのではないでしょうか。