利便性を高め犯罪リスクを減じるために必要?「スーパーシティ構想」の是非 

「スーパーシティ構想」を盛り込んだ国家戦略特区法の改正案が国会で審議されています。検察庁法の改正案と同じく、「不要不急の法案」との批判がツイッターではちらほら見られ、野党からも反対や懸念の声が上がっています。有識者懇談会の座長を竹中平蔵氏が務めていることから、拒否反応を示している人もおり、これについては気持ちは分かります。

スーパーシティ構想とは、AI(人工知能)やビッグデータなど最先端技術を活用した都市づくりを目指すものです。スーパーシティの実現には複数の分野にわたる規制改革が必要となるため、国家戦略特区法の改正案が出されています。具体的には、テレワークや車の自動走行、キャッシュレス決済、ドローン配送、遠隔医療、遠隔教育などです。「不要不急の法案」との批判がある中、接触機会のより少ない社会への変革につながることから、決してその批判が当てはまるとは個人的には思いません。

また、個人情報の管理や住民の合意のあり方などについて懸念されています。スマートサービスの提供には個人情報の収集は不可欠で、かつ効率化するために「データ連携基盤」(都市OS)に集約する必要があります。しかしこちらについても、既にGoogleやAmazonを始めとするGAFAには相当の個人情報が集まっており、本人より個人の情報や好みを把握しているとも言われています。それらの情報は、個人の好みに応じた広告配信などのマーケティング戦略に使われています。インターネットを利用する限りこの流れからは逃れられず、それが嫌であればネット環境から離れた不便な生活を送らなければなりません。まあネットから離れたとしても、外出すればオンラインの車載・店舗・街頭・スマホカメラなどで撮られる可能性は高く、もはや完全に逃れることはできないでしょう。

個人情報の提供に過度な拒絶反応を示す人たちもいますが、普通の生活を送っている人であれば特に問題はないと思います。アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界の入り口になると警告する人もいます。確かにアニメのように、人の感情まで計測、管理し、犯罪を犯す可能性の高い人を識別する社会はまずいでしょう。しかし、スーパーシティ構想からそこまで想像するのは下衆の勘繰りではないでしょうか。「監視社会」を悪く捉える人も多いようですが、真面目に暮らしている人が犯罪リスクの少ない暮らしやすい社会を目指すべきだと個人的に思います。中国やロシア、北朝鮮ならいざ知らず、日本で政治的に反対の立場の人の監視を強め、逮捕するなんて想像力が逞し過ぎます。

反対の声を上げるのは構いませんが、あまりに突拍子のないものだと一般国民にとって迷惑でしかありません。高齢化か進む日本で人々の生活の質や利便性を高め、犯罪に巻き込まれるリクスを減らするためには、スーパーシティ構想的な発想は不可欠なのだと思います。