菅政権は30年に及ぶ低賃金労働戦略から脱却できるのか?

前エントリーにて、「時代に応じた働き方をすべき」といった趣旨のことを書きました。しかし、それは労働者にとって不幸なことだと追記しておきます。本来であれば、会社に就職して真面目に働けば安定した生活が送れるのが当たり前のはずです。そんな当たり前のことが望めなくなった、そんな不幸な時代になってしまいました。そんな日本の不幸を、イギリスのジャーナリストBill Emmott氏がProject Syndicateの寄稿で語っています。

以下、要約です。

日本の労働者は80年代まで、高賃金と安定した雇用で世界中から羨望を浴びていました。それがバブルの崩壊後の政権による、財界の要望を取り入れた雇用の規制改革で一気に崩れてしまったのです。そのような低賃金戦略は企業の利益率を高めましたが、家計の所得が減ったために経済成長はストップしました。バブル直後の政策としては正しかったのですが、それを30年も続けたことで8割が正規雇用だった当時から、今では非正規雇用が4割を占めるまでなってしまいました。このような低賃金戦略が、日本の少子化に拍車をかけているのは間違いないでしょう。

菅政権は政府セクターのデジタル化や地銀の再編を優先課題に掲げますが、国民の心に響く政策の立案にはいたっていません。それが日本の唯一の資源、人への投資と有効活用なのです。菅首相は「国民のために働く内閣に」と発言しました。それを本当の意味で実現するためには、経済政策の中心にの日本国民を据える必要があります。それができなければ、かつてのような高賃金、高生産性の社会への復活はないでしょう。

以上

残念ですが菅政権からはこのような視点による政策が期待できず、このまま失われた40年に向かう可能性が高いと思います。日本国民も、この30年の企業による搾取に慣れてしまったかのようです。 多くの国民がそのことに気付き、政界の再編を促すような投票活動につなげなければ政府の無策、企業の搾取は続くでしょう。本来であれば、「時代に応じた働き方をすべき」ではなく、「まともな時代に戻すべき」と言いたいところです。