実験的手法で真実を明らかにする映画『理由』。かなりの集中力が求められます

宮部みゆきの小説が原作の映画『理由』を観ました。荒川区の高級マンションの一室で、家族と思われる四人の死体が発見されます。捜査が進むうちに四人が他人同士だったことが明らかになり、関係者へのインタビューのみで事件の真相が解明されていくというユニークで実験的な手法を用いた映画です。

ベストセラー小説の映画化、総勢107人の俳優が出演、大林宣彦監督という話題作でありながら、レビューが恐ろしいほど低い作品です。中には高評価もあり、これほど評価が分かれる作品も珍しいのではなでいしょうか。どれだけ事件の真相に興味を持ち、証言の数々に集中できるかで評価が変わってくるのでしょう。

残念ながらぼくにはそれができなかったため内容をつかめず、苦痛な時間を過ごすことになってしまいました。うまく要約したブログを読んで、やっと全貌が見えた次第です。結論を言えば、四人は占有屋だったため他人同士で、その中の一人の変人が三人を残酷に殺し、自分はアクシデント的にベランダから転落死したというものです。

個人的に被害者や犯人に共感できる点は一切なく、見せ場である関係者のインタビューに違和感があり過ぎで物語に入っていけません。同時進行でドキュメンタリー映画を撮っているという映画の設定なのでしょうか。話し手は決められたセリフのように淀みなく話すため、どうも芝居じみています。演者には、素人が芝居じみて話すような演技が求められていたのかもしれません。落ち着いた様子で当時の状況を話し、中には日常的な動作をしがなら話す姿がどうしても異様に見えてしまいます。

ちなみに占有屋とは、競売物件に住み込むことで不動産価格を落としたり、立ち退き料を請求したりする法の抜け穴をついた裏仕事です。今では法改正されて、占有屋の手口は真似できないそうです。そんなヤクザな仕事があったことを知れたのが、唯一の収穫かもしれません。