映画の美しいファンタジーワールドと厳しい現実世界。竹内結子が美しい映画『いま、会いにゆきます』

2004年の映画『いま、会いにゆきます』を観ました。やはり恋愛映画は苦手です。市川拓司によるベストセラーのファンタジー恋愛小説が原作で、主演は竹内結子と中村獅童。映画と同じく二人は結婚しました。映画では一緒になる運命の二人ですが、現実社会では約3年で別れてしまいました。そして竹内結子は2020年、映画と同じく若くして命を失くしてしまいます。そんな運命を知っているためか、ストーリーより現実社会の不思議さ、残酷さが強く印象に残りました。

実は日本映画を手あたりしだい観始めたのは最近で、竹内結子さんのこともあまり知りませんでした。彼女が出ている作品の多さから、第一線で活躍する女優さんだったんだと改めて感じている次第です。遺作となった『コンフィデンスマンJP -プリンセス編-』では、ベテラン女優らしく影のある中年女性を演じていました。一方『いま、会いにゆきます』の彼女は若々しく、純粋で透明な存在感を放っていました。

ちなみに『コンフィデンスマンJP -プリンセス編-』では、やはり今年自ら命を絶った三浦 春馬さんと共演し、熱烈なキスシーンを交わしています。また三浦 春馬さんは『いま、会いにゆきます』にもちょい役で出ており、何かしら運命的な二人のつながりを感じてしまいます。

映画は、1年前に妻の澪(竹内結子)を亡くした秋穂巧(中村獅童)と1人息子の話です。澪は死ぬ前、「1年たったら、雨の季節に又戻ってくるから」という言葉を残します。1年後の雨の季節に、過去の記憶を失くした澪が本当に現れるという感動のストーリーです。

レビューでは「号泣した」「感動した」「素晴らしい」と大変評価が高いのですが、個人的には「感動の押し付け」が鼻にかかります。誰だか忘れましたが、「感動させるために、作品で誰かを死なせたり、病気にさせたりしない」と話していたのを聞いたことがあります。死や病気で心を動かすのは簡単だからだそうで、「ほー」と感心しました。一方この映画は、妻は死ぬし、夫も脳の病気、息子も耳の病気と「死」「病」のオンパレード。「可哀そう」「助けたい」「頑張って」と思うのは当然でしょう。そんな作品を望む人にはいいのでしょうが、ぼくには無理だったようです。