知るべきでない真実もある?意外な展開のサスペンスドラマ『埋もれる』

2014年にWOWOWで放送されたテレビドラマ『埋もれる』を観ました。主演は桐谷健太、国仲涼子。ゴミ屋敷に住む人の心情を解き明かす映画と勝手に想像していましたが、いい意味で期待を裏切られました。

大手食品会社に勤めていた北見透(桐谷健太)は、自社の産地偽装を内部告発したことで会社を追われます。正義を信じて行動でしたが、会社側からは裏切り行為と捉えられ、自らも職を失うだけでなく家族からも見放されてしまいます。故郷に帰り市役所の非常勤職員として採用されますが、そこでも市長と業者との癒着や不正が存在することに気付きます。また、初恋の人に再会して交際をはじめますが、彼女の失踪中の夫に関して疑念を抱き始めます。内部告発は正しい行為だったのか、大事な人を疑うことは正しいのか、てな葛藤に苦悩します。

作中でゴミ屋敷は出てきますが、メインテーマとは直接的な関係はありません。組織や人間関係の中に埋まれてしまっていいのか、という問いかけの象徴としてゴミ屋敷が出てきます。善と悪、正と誤に関係なく、ゴミの中の一部としてとどまることは楽かもしれませんが、勇気を出して外の世界に飛び出すことが大切なんだよと訴えるドラマだと感じました。

しかし、一筋縄ではいかないのが人生の難しさです。正義のため、消費者のために内部告発をしても、その結果自分ばかりか、周りの人たちも不幸になってしまう。愛する人を信じられず、真実を暴こうとして信頼関係が崩れてしまう。そんなことをしてまでも、本当に真実を追求する必要はあるのか。世の中には、知らない方が良い真実もあるのではないか。目をつぶる、大目に見るという言葉があるように、なんでもかんでも暴けばいい、という訳にはいかないのが人生ですよね。