過去のM-1グランプリを見返して気づいたこと。結果よりその後の活躍の方が大切

Amazonプライム・ビデオで過去のM-1グランプリを放送しています。初期のころ出場して、現在でも活躍しているコンビはさすがにレベルが高い。2008年のNON STYLEが優勝した回まで観まて、この回のオードリーの1本目のネタが歴代で最高に面白かったです。

オードリーの2本目のネタがもっと良ければ、確実に優勝していたでしょう。かといってNON STYLEの2本目のネタが特に優れていたわけではなく、ナイツを含めた最終決勝進出した3組の出来はトントンだったと思います。そうなると、どうしても大人の事情で吉本のNON STYLEが選ばれるのが当然の流れです。動きやリアクションを取り入れて笑わせるNON STYLEの優勝が、その後のM1の方向を変えた契機になったのが2008年なのだと感じます。

この回以降のM1は観る気が失せてしまいます。個人的にはNON STYLEは好みでなく、次の回以降の優勝者はパンクブーブー、笑い飯、トレンディエンジェル、銀シャリと続きますが、正直レベルが下がる一方だと感じています。笑い飯は2002と2003年がピークで、特に伝説的なネタを披露した2003年に優勝できなかったのが不運でした。その後も出続けますが当然新鮮味は失せ、優勝できる勢いが無くなってしまいました。それでも実績があるので予選で落とすわけにはいかず、番組や審査員としても扱いが難しかったのではないでしょうか。そして2010年に、やっと優勝させることで卒業していきます。同様に、4年連続で決勝進出しながら優勝できなかった和牛が、自ら身を引いたのは良い判断だったと思います。

後で知ったことですが、2008年に準優勝したオードリーが、それ以降のM1に出なかったのにも理由があったそうです。2008年大会で、もっとも評価されてブレークしたのがオードリーです。2009年に出場していたら決勝進出は間違いなかったでしょう。「逃げた」と批判がある中出場を辞退したのは、優勝できるほどネタを進化させるのは難しいと感じたからだそうです。

一度漫才のスタイルを披露して認知されてしまうと、同じスタイルで優勝を狙えるほどM1は甘くありません。「スタイルを少し変えることで進化したとみられても、それが実際には退化になることもある」的なことを感じていたそうです。それを知って、オードリーの漫才に対する真摯な態度に感動したものです。

そんな漫才スタイルが、広く認知される前の一発勝負で優勝できたアンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、サンドウィッチマン、ミルクボーイは幸運でした。反対に最も不運なのは、2004年に準優勝した南海キャンディーズでしょう。斬新なスタイルで世間を驚かせましたが、その大会ではアンタッチャブルの方が完全に上をいってしまいました。南海キャンディーズが同じスタイルで挑んだ2005年大会では、最下位に沈んでしまいます。同じ轍を踏まなかったオードリーは賢かったのだと思います。

いずれにせよオードリーも南海キャンディーズもM1をきっかけにブレークしたので、どちらの選択も間違ってはいなかったということでしょう。優勝したとしても、その後の活躍が約束されているわけではありませんから。優勝してもTVに呼ばれないパンクブーブー、そしてM1ではいまいちでしたがその後大活躍の千鳥やおぎやはぎがそれを物語っています。